コンセプト
ひこばえに込めた思い
ひこばえとは、木が弱ったり、幹を切られたりしたときに、すぐにエネルギーを得るために木の根元から生やす細い枝のことです。
ひこばえという名前には2つの意味を込めました。
一つは「生きのびる」、もう一つは「再生する」ということです。
生きのびる
一見健康そうな太い木の根元にひこばえが生えているとき、その木は何らかの理由で栄養(エネルギー)が足りない状態だと考えられます。
だからひこばえを生やして光合成の量を増やそうとするのです。
人間でも同じように今の環境が過酷なとき、適応が難しいときに、その人なりの方法で対処していることがあります。
例えば推し活をしたり、恋愛をしたり、スポーツや、なにかの作業に没頭したりといったことです。
つらい状況に耐えるために、他のところから栄養(エネルギー)を得るのです。
これを専門的に言えば「コーピング」です。
その人にあったコーピングを見つけられないとき、元気やエネルギーがなくなる一方のとき、一緒にコーピングを見つけ、つらい状況を生き延びるお手伝いがしたいというのが、当相談室の目的の一つです。
ひこばえは、観賞用の木では切られてしまうことが多いといいますが、見栄えが悪くても、生き延びようとするその姿をむしろ美しいと思います。
しかしひこばえが成長しすぎてしまうと本体である幹の栄養を奪ってしまい、弱らせてしまうことがあるそうです。
これは人の心に例えれば、コーピングであったはずの活動に熱中しすぎてしまう、「依存亅の状態だと考えられます。コーピングにエネルギーを取られすぎていないか、そのコーピングは長い目で見てご自身を元気にしてくれるか、そういった観点でひこばえを「剪定する」作業も一緒にできればいいと思っています。
再生する
切り株の根本からもひこばえが出ます。一般にひこばえというとこちらのイメージのほうが強いかもしれません。
切り株をを人の心にたとえると「心が折れる」という表現になると思います。
心が折れるきっかけは様々です。
大切なものを失ったとき、挫折や大きな失敗をしてしまったとき、被害にあったとき、大きな病気を患ったとき、夢をあきらめなければならないとき。
これらは大きな意味ではいずれも「危機」「喪失」のテーマを含みます。
心が折れたとき、深く落ち込んだり、怒りや悲しみが出てくることは当然の反応です。この感情のプロセスを一緒に体験し、ひこばえを生やして幹を再生する、新たな人生をもう一度作っていくお手伝いがしたいというのが、当相談室のもう一つの目的です。
弱っていても、たとえを切られるような危機に遭っても、ひこばえを生やして再生しようとする木の生命力にあやかって相談室の名前にしました。
以上のように、ひこばえ心の相談室は、つらい状態にある方に、まずはひこばえを出して生き延びていただく、そしてご自身の人生を再生するお手伝いをしたいと考えています。
お気軽に、とはなかなか言えませんが、気になった方はどうぞお問い合わせください。